入社して5年経ちますが、調色は本当に奥が深い仕事です。決まった容量の塗料を機械で混ぜる比較的シンプルな依頼もあれば、「これと同じ色をつくってほしい」と車のパーツが持ち込まれることもしょっちゅう。過去のノウハウが詰まった「調色レシピ」も参考にしながら、まずは手作業で少ない量で調色をし、微調整を繰り返しながら理想の色に近づけます。目指す色が完成したと思っても、屋内と屋外では色味が違って見えますし、朝と夕方、晴れの日と雨の日でも見え方が変わる。だから、調色した塗料は必ず、塗装した製品が使用されるシーンと近い環境下で幾度もチェックを重ねます。知識より身体の感覚で覚えていく仕事だからこそ先輩も繰り返し教えてくれますし、みんな未経験で入社し代々教わってきたから、後輩を育てる風土も根付いているんです。
今まで特に印象的だった依頼は、出身中学校の改修工事で使用する塗料の調色でした。校舎の外観に使用される塗料だったので、今でも学校の傍を通ると誇らしいですし、自分の子どもにも自慢しています。地元で長年事業を行なってきた信頼があるから、子どもの保育園やプライベートで訪れるお店など、ゆかりのある場所を担当することも少なくありません。地元の役に立てていると、日々実感できますね。